"233 ゆりりん ◆tx8IiMF52M  [sage] Date:2007/10/04(木) 16:07:58  ID:HeJbh671 Be:
このたった数例を見るだけでも理解できる通り、
仮に日本が核武装・核動力の軍事的実用化を実行に移したとしても、その体制と配備数はミ´_>`)ξ・_>・)とさほど変わらない、相当に小規模なものとなり、「既存の核保有国以外の勢力への核拡散」を前提とした「“既存の核保有国による秩序とパワーバランス”の限定的な補完」とせざるを得ないと結論出来る。

なぜならそれ以上は、将来的な人口推移とエネルギー確保事情から推測し得る将来の日本の経済力では実効的な戦略核配備と整備体制を支えられないからだ。
本当に自前で確実な報復核戦力を開発するには弾頭からデリバリ手段、配備場所まで開発する必要がある。

( ´∀`)国内は国土の特性上、国土の縦深・地積に乏しく防護された基地建築が困難である為、必然的に海洋、こと行動が秘匿し易い潜水艦に配置することとなるだろう。
国土面積の11.7倍にも及ぶ領海、排他的経済水域に加え、何ら制約なく現用の海洋哨戒機群の庇護下で広大で対潜作戦が困難な太平洋に出れるという利点もあるからね。
幸い護衛艦勢力と海洋哨戒機群はある程度の規模を持っているため、増勢の手当てに要する費用自体はまだ比較的少ない。

しかし。
この上で、例えば対象国( `ハ´)の例であげた“200基”という弾頭数と、最低限の核抑止に必要な「常時戦略原潜一隻の外洋行動」を満たすのはなかなかの難事となる。

238 ゆりりん ◆tx8IiMF52M  [sage] Date:2007/10/04(木) 16:10:50  ID:HeJbh671 Be:
実際にこの「常時戦略原潜一隻の外洋行動」という条件を満たしている英の戦略核体制を例にとろう。

Vanguard級戦略原潜4隻及びその核弾頭、戦略核購入費と開発維持費用、これらを安全な海域に潜入させ防護する為に要する海洋哨戒機群と定置式センサ網、護衛艦及び随伴する攻撃型原潜の追加装備。整備用の基地施設の拡充に要したコストをそのまま( ´∀`)に持ち込むと仮定しただけで、国民一人あたりの負担は消費税にして+10%強。

──英は戦略核搭載した潜水艦発射型弾道弾トライデントII.を核弾頭以外一式米から購入していてなおこれだ。

これらをかなり「自前(自称)で作った」仏は1958年に核武装を決断。
それ以前からの想定研究を統合し各兵器体系の開発に着手したが、最低限の抑止に必要な常時戦略原潜一隻の行動を可能としたのは2004年半ばに入ってから。
最低限の実用的な核武装を実現するのに、実に半世紀近くも掛けている。

しかも核武装と引き換えに他の各軍の装備と稼動率を極限まで切り詰めた結果、現在の仏海軍なんかガタガタ。
原潜に金を注ぎ込む他あまりの予算削減と整備の悪さから、同盟国に頼らない限り通常戦への対処事態が危ぶまれている。

この辺見るだけでも、俗に言う「酷使様」たちの
「核開発宣言すれば明日にも大量の核が揃う! 核を手にした“世界に冠たる我らが日本”イーャーッハー!!」
と言う話は、この時点で相当に無理のある論と言うのもわかるだろう。


運用の為のマンパワー確保や指揮命令系統の確立除いてすらこうだ。
ましてや( ´∀`)の場合、陸上戦力が壊滅的に減勢しているという実情も加わる。
本来本土防衛に必要とされた32万人体制に比べ、現状は常備自衛官定員が14万8千人、即応予備自衛官が7千人の合計15万5千人。

ここから更に削減されて行く為、島嶼他の防衛のみならず災害派遣に対しての対応にすら事欠く様になりつつある(;´∀`)。

何せ領土の約70%が山地、森林率は約67%と言う急峻な地勢の為、自動車や鉄道等陸路での高速移動がままならない。
道路や鉄道の結節点は有事の際最初の攻撃目標となるから移動の際頼れないし、船舶・航空機での大量移動も政治的事情により困難なため事前に各都道府県の要所要所に貼り付けていた部隊が削減で消えているからね。
災害派遣しようにも県内に基地・駐屯地が無くなる所も出てくる以上、平行してこれらに対する手当てが望まれてしまう。

241 ゆりりん ◆tx8IiMF52M  [sage] Date:2007/10/04(木) 16:13:22  ID:HeJbh671 Be:
──しかし。
もし仮に、先に上げて来たもの全てを踏まえた上で「それでもなお日本と言う国が現在の政体・体制を保ったまま真剣に核保有の是非を議論する」日が来るのなら。
それは
「米英の関係(戦略核含む潜水艦発射弾道弾他のデリバリ手段、目標選定用の偵察情報及び艦艇用原子炉等の相互供与)」、
「米仏の関係(「独自開発装備による自主防衛」と言いつつ、その実“米仏核技術交換協定に基き相互に開発データと成果をキックバック”)」
と同様の
“既存の西側G8が主導する現在の世界の秩序の中で”
“日本が極東における応分の責任を果たす上で、現在の同盟関係の上で”
“既存の各国の「核の傘」の限定的な補完を試みる必要があるか否か”
の判断と選択を見据えた議論となるだろう。

……が、いかなる形となるにせよ、これらを実現する為には、「日本の都合で各国間の既存の安全保障体制のかなりの部分再編を強いる」事となる。
特に難しいのは、本格的な核保有議論の開始時点でNPT(核兵器不拡散条約)、PSI大量破壊兵器・弾道ミサイル拡散防止)体制、CTBT(包括的核実験禁止条約)及び国際原子力機関(IAEA)による今の核査察体制を揺るがしかねない事。

また日米原子力協定はじめとする各国との間に締結された原子力関連事業他の基礎となる二国間協定内に存在する「核爆発装置の研究または開発を始めとする、国産も含む核物質の軍事的目的への転用禁止」と言う旨(文言が複数あるので端折った)全てを改訂する必要がある。

かつての日米原子力協定の一部改正に10年近く掛けているのを見るだけでも、この改訂には相当な外交交渉とそれを維持するだけの必要性、危機感をバネとした国民的コンセンサス、支持が必要となるだろう。
そして同時に他に採るべき方策は本当にないのかの検討も欠かせない。
半世紀後を見据えた議論と行動をいつ開始するのか。また日本国民がその負担をどう捉えるのかも含めて考えねばならなくなるだろう。
ここからは今の海自の給油議論が可愛らしく思える、集団的自衛権憲法改正どころではない恐ろしく重い議論になると思うよ。"

興味深かったのでメモ その1:イザ! (via etecoo)

(via d6rkaiz)